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キャロルの日記 / ピアノスタジオ・ジャコメッティ

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15年のNY暮らしの後、結婚を機に東京へ。そしてピアノスタジオ・ジャコメッティを開設。そんなキャロルの普段の生活をリポートします。

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浜松市楽器博物館より”むかしむかしの素敵なピアノ展”

こんにちは、キャロルです。

浜松といえば楽器の街として有名です。日本を代表する2台ピアノメーカー『ヤマハ』と『カワイ』はどちらも浜松で誕生しました。そんな街には、浜松市が誇る楽器博物館があります。ここは日本初の公立(市立)楽器博物館として1995年に開館しました。早速キャロル達も行ってきました。

まずは、浜松駅を出ると、浜松で幼少期を過ごしたという『徳川家康』くんがお出迎え。浜松が『出世の街』として知られていますよ。
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この楽器博物館には、アジア、オセアニア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本と、それぞれのセクションに分かれてたくさんの楽器が展示されています。

その中でも、今回は鍵盤楽器セクションにあるピアノの成り立ちと発展についてお届けしたいと思います。

ここには、チェンバロ、クラヴィコード、オルガン、ピアノなどが並ぶ中に、19世紀初めのベートーヴェンやシューベルト、ショパンが使ったピアノと同じメーカー、タイプの楽器がずらりと並んでいます。
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それでは、鍵盤楽器の移り変わりを、時代の古い順から追って行きたいと思います。

鍵盤楽器の始まりは『チェンバロ』でした。
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そしてピアノが誕生しました。ピアノが誕生したのは1700年頃のイタリア・フィレンツエ。クリストーフォリにより発明されました。チェンバロとピアノ(フォルテピアノ)の違いは、チェンバロが弦をはじいて音を鳴らすのに対して、弦を『打つ』という方法で、音量の変化の度合いを無限大に可能にしたのがピアノの誕生です。
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しかしながら、当時はさほど人気がありませんでした。音色を聴けばすぐにわかることなのですが、新楽器の音色は、当時の貴族社会の花形鍵盤楽器であるチェンバロに比べると、それはそれは地味で音量も小さかったからです。それにチェンバロ様の曲をこの楽器で弾いても、チェンバロでの演奏にはかなわなかったのです。

モーツアルトを経て時代は19世紀に入ります。貴族文化に代わって市民文化が花開きます。それと同時にピアノ文化もいっせいに『華』開くのです。ウィーンではモーツアルトも愛奏した名工ワルターのピアノがますます輝きを見せます。そしてウィーンのグラーフも『帝国・王国宮廷ピアノ製作家』の称号をもつ名工。彼のピアノはシューベルト、ブラームス、シューマン、クララ・シューマンなどに愛されました。
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ロンドンのブロードウッドはクリストーフォリの流れを汲むピアノで、産業革命の影響から最新の工業技術をピアノにも取り入れた王室御用達の名工。その力強い響きには、ハイドンやベートーヴェンが非常に刺激を受けて作品を作りました。
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パリのエラールは、フランス国王ルイ16世お墨付きの名工。19世紀始めには、現代のグランド・ピアノに直接つながる『ダブル・エスケープメント』というアクションを発明してすばやい連打を可能にし、その後のヴィルトゥオーゾ的演奏への道を開きました。優雅で華麗な音色はパリのサロンで愛され、リスト、フォーレ、ドビュッシーなどが愛したピアノとされています。
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そして、いよいよモダンピアノ(現在のグランド・ピアノ)に到着します。

こちらが世界のピアノメーカーとされるスタインウェイ社(ニューヨーク)とベーゼンドルファ社(ウィーン)のピアノです。
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最後になりますが、こちらのピアノはショパンが愛したピアノとされる『プレイエル』です。
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そんな訳で、駆け足でしたがピアノの歴史を追ってみましたがいかがでしたか。

写真では伝わりにくい点も多々あるとは思います。会場では、アクションの模型がそれぞれの楽器の横に展示してあり、実際に音を出して見る事が出来ました。そうすることで、それぞれのアクションの違いについてしっかりと分かることが出来ましたよ。

浜松にお越しの際には、是非楽器博物館に立ち寄って見て、当時のベートーヴェンやショパンの時代の楽器に触れてみるのもお勧めですよ。

それではまた!


キャロル
by karol1 | 2013-09-15 02:22 | 日本より

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